バイオガス発電機の一般的な問題とその解決策

バイオガス発電機では、期待される出力よりも発電量が低下するという問題が最もよく見られます。これは通常、バイオガスの品質やエンジン部品の摩耗が原因です。バイオガスは適切に燃焼させるために、メタン含有量が50%から70%の範囲である必要があります。発電用バイオガスのメタン濃度がこの基準を下回る場合、それは通常、消化槽内の温度が最適でないことや、原料の消化バランスが崩れていることに起因します。

プラグや燃料噴射装置などの他のエンジン部品の摩耗も別の原因となる可能性があります。燃料を燃焼させて動力を発生させるエンジン内の部品は、不完全燃焼によりカーボン堆積物が蓄積され、それが燃費効率の悪い燃焼を引き起こします。この場合、まずガスアナライザーを使用してメタン含有量を確認する必要があります。もしメタンが検出された場合は、消化槽の原料比率と温度（中温消化の場合35°C）を調整してください。摩耗した部品については、点火プラグを運転時間500時間ごとに交換し、燃料噴射装置は専用の洗浄剤で清掃してください。

不安定な運転および頻繁なシャットダウン

連続した電力を必要としている人々にとって、頻繁にシャットダウンしたり断続的にしか動作しなかったりするバイオガス発電機は非常に厄介です。バイオガスの供給が不安定であることや、圧力調整器に欠陥があることが原因でこのような状況が生じます。消化槽（ダイジェスタ）内では、投入すべき原料が不足したり、ガス回収システムに漏れがあったりすると、バイオガスの生成が不安定になり、生産量が変動する可能性があります。さらに、ガス圧力が一定のしきい値を下回ると、エンジン発電機が不安定な運転となり、最終的には停止してしまいます。

この問題のもう一つの原因として、圧力調整器の故障が挙げられます。バイオガスエンジン用の圧力調整器は、エンジンに供給されるバイオガスの量を制御しており、もし圧力調整器が正常に機能していない場合、バイオガスの流れが不安定になり、システムの誤作動を引き起こす可能性があります。システムの不安定性が継続する場合の対処法として、まずガス回収システムの漏れを修復し、原料在庫の蓄積を防ぎ生産の不安定を回避するために、バイオガス生産のスケジュールを適切に管理することが重要です。また、圧力調整器やバイオガス流路部品を点検し、損傷や詰まりがないか確認することで、システムが連続的に運転できるようにします。調整器に損傷が見られる場合は、高品質な圧力調整器に交換して、バイオガスシステムにおける最適な連続的な流量を確保してください。

高排出レベル

バイオガスはディーゼルよりもクリーンな燃料ですが、発電機の中には依然としてNOxやCOなどの過剰な汚染物質を排出するものがあります。これは、古いバイオガスエンジンの未発達な燃焼システムや空気と燃料の混合が不十分なことが原因です。バイオガスバーナーに供給される空気が少なすぎると、不完全燃焼により過剰なCOが発生します。逆に、空気が多すぎると燃焼室温度が高くなり、NOxが生成されます。

この問題への寄与は、最新の排出ガス制御技術を備えていない古いエンジンから生じることがあります。排出ガスの制御は、空燃比を最適化するだけで簡単に達成できます。ほとんどのバイオガス発電機にはエアインテークバルブがあります。これを利用して、バイオガスの体積比が10:1となるように調整してください。排出ガス分析装置を使用すれば、システムの正確な測定が可能となり、排出量が地域の規定基準を下回るまで空気と燃料の混合比を制御できます。バイオガスエンジン用に設計された触媒コンバーターを古いエンジンに装着することで、汚染物質を低減できます。これにより、有害なガス汚染物質を無害な水蒸気とCO2に変換することが可能です。また、エンジンのメンテナンスも排出量を抑えるのに役立ちます。たとえば、200時間の運転後にエアパスを清掃するなどの対策が挙げられます。

発電機の始動が困難

天候の変化や長期間の放置により、ユーザーはバイオガス発電機の始動が困難になることがよくあります。バイオガス圧力の低下、低温のエンジン、バッテリーの消耗などが主な原因です。特にバイオガス圧力が低いことによる始動不良は、十分な圧力がないためにガスがエンジンの燃焼室まで届かず、点火がほとんど不可能になることに起因します。

寒い気候は燃焼に悪影響を及ぼします。実際、バイオガスの冷たいエンジンでの燃焼や発電機の効率の悪い始動時には、エンジンが作動しているように聞こえるにもかかわらず、実際に燃焼していないことがあります。また、数週間発電機を使用していない場合、点火プラグ周辺のバッテリーが完全に放電してしまうこともよくある原因です。始動に関する問題は、まずバイオガスシステム内の問題の原因を特定することで解決できます。圧力が低い場合は、消化槽が24～48時間稼働する必要があると考えてください。寒い時期には、エンジンブロックヒーターを使って1～2時間の暖機を行ってください。バッテリーが完全に放電している場合は、ポータブル充電器で4～6時間充電し、点火システムが正常に機能しているか確認してください。

燃料システム部品と腐食

パイプやバルブなどのバイオガス発生装置の部品の腐食は、バイオガス発生装置の性能を徐々に低下させる静かな問題です。バイオガスには少量の硫化水素（H₂S）が含まれています。バイオガスとH₂Sが密閉系内で湿気と混合すると化学反応が起こり、腐食性を帯びます。初期段階でバイオガス発生装置の部品を修理または交換しない場合、H₂Sの漏洩という腐食問題を抱えたバイオガス発生装置となってしまいます。最終的には、バイオガス発生装置および燃料システムの運転障害を引き起こし、高額な修理費がかかるようになります。

腐食を防止するための第一歩として、バイオガス管路にH₂S除去装置を設置することが重要です。このシステムにより、バイオガスが燃料として使用される前に、H₂Sガスを20ppm以下まで低減すべきです。燃料中のH₂Sによる腐食を定期的に点検できる体制を整えてください。腐食性の湿気が弱った燃料システムは排水するか、腐食が進行している場合は対処が必要です。水分を含むH₂Sガスが存在する場合、システム内の腐食を促進するバイオガス由来の湿気は排出・乾燥しなければなりません。